大代ゼンテックス株式会社
Art
大代ゼンテックス株式会社 代表取締役(お客様の声)
crack社のブランディングは、“自社の素晴らしさを、自覚しきる”ところから始まります。 ブランディングとは、“企業の魅力や独自性が、外の世界に自然と伝わる状態”。 そのためにはまず、社員一人ひとりが“自分たちの会社の素晴らしさを、深く理解している状態”が欠かせません。 その実現に向けて、crackは2つの観点を大切にしています。 ① 自分たちの活動が、社会の中でどんな価値を生んでいるか ② 自分たちの存在が、どれほど多くの人に喜ばれているか この2点を明確に実感していただくため、crack社では「魅力発掘プロジェクト」を展開しています。 お客様の顧客や提携先など、第三者の視点を持つ関係者へ丁寧な調査を行い、企業の社会的価値を約100ページにわたり言語化します。 (※“魅力発掘プロジェクト”の詳細はこちらへ) そしてcrack社は、企業理念のように“目には見えないが確かに存在する価値”を、ARTという形に可視化します。 そのために、世界中の優れたアーティスト数百名と連携。 創作の過程は、社員と国内外の一流アーティストが共に取り組む、かつてない体験です。 自分たちの誇りが象徴となり、そのシンボルが日常に溶け込んでいく。 すべては、自社の魅力を“体感しながら育てていく”ためのプロジェクトです。
PROJECT
プロジェクト概要
- 案件について
- 創業125年、社員600名を超える大代ゼンテックスは、大阪を拠点に清掃・設備・衛生管理などを手がける老舗企業です。
万博を目前に、「業界の当たり前を更新したい」という思いから、crackと共に、魅力発掘プロジェクトからアートブランディングまでを実施しました。
目指したのは、社員が誇りを持てる“ワクワクする会社”への変革。
世界で活躍するアーティスト・ムラカミミホさんと共に、「家族」を象徴するオリジナルアートを制作し、企業の精神を形にしました。
プロジェクトを経て、社内には会話と笑顔が増え、社長自身も“もっと未来を見たい”と東京への挑戦を決意。老舗企業が新たな時代に向けて歩みを始めた、象徴的なプロジェクトとなりました。
今回は、代表取締役の大代敬子さんのお声を、ご紹介させていただきます。
VOICE
お客様の声
閉塞の業界に、社員が自社を自慢したくなる“革命”を。

大代ゼンテックス株式会社 代表取締役 大代敬子さん
Q1:今回、魅力発掘プロジェクトで、変化を起こそうと思ったきっかけを教えてください。
ずっと、“会社をワクワクする場所に変えたい”と思ってきました。
でも現状は10点満点で言えば2割くらい。
社員も業界全体も、まだまだ明るさや誇りを持てていないと感じていました。
だから、万博に向けて会社のイメージを刷新する革命を起こそうと決めたんです。
清掃や設備管理という仕事は、社会に欠かせないものなのに、どうしても地味に見られがち。
“清掃作業員”という言葉に、もっとポジティブなイメージを持ってもらいたい。
この会社で、社員が誇りを持って働けるようにしたいし、若い世代にも『ここで働きたい』と思ってもらえる会社にしたい。
このプロジェクトを通して、まず自分たちの会社が変わり、最終的には業界全体を元気にするきっかけをつくりたいと思いました。
Q2:他社との違い、そしてcrackへの最初の印象は?
「ブランディングの会社の人や、個人でやっている人と少しお話しする機会はあります。イメージとしては、ブランディングといえば、“おしゃれなホームページを作りましょう”とか、“名刺を変えましょう”とか、その程度の話ばかりでした。
でもcrackさんは全く違いました。
社内で働いている人たちの意識を変えて、会社のイメージをブランディングするというところに魅力を感じました。
全く違う業種の方がパワーを持って来て、自分の若い時代とは全然違うクリエイティブな人たちだなと感じました。
今の20代、30代の人たちは、努力よりも結果の出し方を先に考えて、回り道せずにストレートに自分で切り開いていくように見えます。
私たちの時代とは違う、“下積みがどうのこうの”という時代ではないと感じましたし、そのクレバーさを非常に全面的に感じました。」
Q3:プロジェクトを通して、現場やご自身に、どんな変化を感じましたか?
「自社として、ポテンシャルが上がったように感じます。
現場が明るくなって、会話が生まれるようになったと聞いています。
まだ“やらされてる感”のある社員も一部にはいますが、それでも方向性を理解して、一緒に向いてくれるシーンが増えました。
私自身、気分が明るくなった気がします。
気分が上がると、仕事へのモチベーションも自然と上がりますね。
その勢いで、大阪から、東京に出ていくことも決めました。拠点を借りたんです。さっそく、動いていきます。」
Q4:プロジェクト内で印象に残った職員の変化や、意外な成果があれば教えてください。
「社内ワークショップの後半で、お客様の意見やいろんな意見が出ていたときに、自分たちの会社がどういうことをやっていて、どういう方向に進んでいるのかが、わかりかけたときからみんなが発言し始めました。
そこがキーポイントで変わったと感じました。
最初は下を向いて肩をすくめていた姿から、前を向いて自分たちも仲間の一員として意見を出すようになり、それが自信につながっていると感じました。
2回目に顔を合わせたときには、朝の挨拶から違いました。
現場にずっといた人たちが出てきて、会社のいろんな人と直接話すという行為が、非常に自信につながり、生きがいにもつながったように感じました。
一緒にこういうことを決めてやっているという、大家族経営により近づいたと思います。
親戚から近くの親戚になったような感じです。」


お客様や協力会社の声を聞く中で、社員たちは会社が大切にしてきた想いや自分たちの役割を再確認した。その気づきが、社員一人ひとりの誇りとなり、下を向いていた姿勢が前を向く姿へと変わった。次第に表情が変わり、発言が生まれ、大家族のような一体感が全体に広がった。
Q5:研修を経て、どんな変化がありましたか?
「会社としては、ポテンシャルが上がったように感じます。
現場が明るくなって、会話が生まれるようになったと聞いています。
半分くらいは“やらされて嫌だ”という人もいるかもしれませんが、方向性的にはみんな同じ方向に向かってくれるようになりました。
今回の取り組みを通して、125年の歴史が“腹に落ちた”感覚がありました。
これまで言葉だけだった理念が、絵や形として目の前に現れたことで、“自分たちの会社ってこういう意味を持っていたんだ”と実感できたんです。
その瞬間に、これまでの積み重ねが一気に腹の底に落ちた感じがしました。
私自身も、気持ちが明るくなった気がします。
“もっと外に出ていこう”という気持ちが自然に湧いてきて、その勢いで東京に出ていくことを決めました。
このプロジェクトが、自分の中で一つの転機になったと感じています。」


アートお披露目式の様子。
家族のように支え合う会社の理念が、一枚のアートとして“見える形”になった瞬間。アートに込めた想いを、社長、アーティストさん、crackが順に語り、125年の歴史に込められた理念が、社員一人ひとりの心に腹落ちした。
Q6:理念がアートになり、何が変わったか教えてください。
始める前は、「どういうことになるんだろう」という想像もついていませんでした。
でも、日頃お付き合いのある方々の大代ゼンテックスに対する見方が、外部の方に入って調査していただいたことで新しくなり、自分自身が“会社の魅力”をより一層見つけられたことが、財産になりました。
また、パートナーの従業員の皆様とも、いろんな意見交換ができたことで、より一層会社の基盤を作れたような気がしています。
皆さんが本当に「大代ゼンテックスという会社のことを愛してくださっている」と感じましたし、こんなご褒美をいただける企画をできたことに感謝しています。
そしてミホさんによるこの素晴らしい絵。
力強く、生きていて、魂を感じる。
見る人によって感じ方が違う印象で、本当に「すごいアーティストさんが日本にはいるんだな」と思いました。
ミホさんが世界で活躍されていることもお伺いして、今回ご縁があって嬉しかった。
会社の理念って、正直読んでも“難しいことが書いてあるなあ”となりますよね。
「寄与するって何? 何を寄与するんやろ」と。
でもこのアートを見せて、“うちの会社の理念はこれだと。
“家族でみんなでやっていく”という理念がアートで明確に通じる、素晴らしい経験をしました。


理念をアートとして可視化し、日常で使えるアイテムにすることで「これ何?」と聞かれる機会が自然と増えていく。理念を身近に感じながら、研修を通して付箋に込めた皆さんの想いも込めて繰り返し語ることで、自社を自慢できるようになっていきます。
Q7:今回のプロジェクトを通して、crackという組織をどう感じましたか?
代表の陣さんは、話すのが本当に上手で、自分の経験に基づいた話も交えながら、聞く人の心を自然に開いていきます。みんなが入りやすいところからドアを開いて迎え入れ、そこに落とし込んでいろんな表現をしていくテクニックを持っていると感じました。
ショービジネスのように全体の空気を読みながら場をまとめ、最後は“遠山の金さん”のようにスッと出て締める。そんな、場の中心にいながら押しつけがましくないリーダーです。
陣さんで始まっているような会社ですが、彼一人ではなく、周りのメンバーが支えている。そのバランスが、クラックというチームの魅力だと思います。
片平さんのインタビューから人を聞き出す技術は、一番すごいと感じました。話し手が安心して始め、時間が経つと何回か突っ込んだ質問が生まれ、自分でも気づかなかった悩みを引き出せるインタビューを見て、これも仕事の技術のうちだなと学びました。
工藤さんはパワーポイントなどを駆使して作る、技術畑のイメージがあります。どんなツールも自在に扱う技術派で、現場の細部を支える職人のような存在だと思います。
豊福さんは、陣さんが言ったことを行動できるように、いろんなことを進める立場で、サポートをずっとされているんだなと感じました。彼がいて繋いでいくからこそ、陣さんが手を広げられるんだろうなと思いました。
他のメンバーも、ポストイット一つの使い方から、空間のつくり方まで、すべてに意識と美意識を感じました。準備が整っていて、配置やリズムがきちんと作られている。
それぞれが自分の役割を理解し、プロフェッショナルとして動いている姿に、本当に“チーム力”を感じました。
クラックという組織は、まるで軟体動物のように、どんな形にも変われる。
固定概念がなく、状況に合わせてしなやかに姿を変えながら、必要なときには一瞬で刺す強さを持っている。
“かわいいけど刺すクラゲ”という表現がぴったりだと思います。
見ていて飽きない、面白いチームです。

アートが理念の象徴となり、見るたびに自分たちの原点を思い出せるように。ただ飾るのではなく、“自社の誇りを感じ、見つめ直すためのシンボル”として受け継がれていくアートとの最初の一枚。
Project Members(crack)
大野 陣 片平 優 工藤大輝 豊福 竜大 吉井 七実
【執筆】豊福 竜大(Tatsuhiro Toyofuku)/執行役員
独自のブランディング手法を確立し、外部の声をもとに価値を再構築。
理念をアートとして可視化することで、従業員満足度の向上と、離職率低下の支援を行う。
自らがcrackの思想を体現し、その魅力を語ることで共感を生む。
理念を語ることで発注が生まれ、経営者が涙する現場を幾度も見届けてきた。
「自社を自慢できない社員をゼロにする」その精神を胸に、チームと現場をつなぐディレクターとして、企業と人の“誇りの接続”を描き続けている。
仲間からは“BIG BABY”と呼ばれ、その柔らかさと情熱が、組織に新しい風をもたらす。
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