有限会社裕進運輸 様
Art
裕進運輸 総務人事部部長(お客様の声)
crack社のブランディングは、“自社の素晴らしさを、自覚しきる”ところから始まります。 ブランディングとは、“企業の魅力や独自性が、外の世界に自然と伝わる状態”。 そのためにはまず、社員一人ひとりが“自分たちの会社の素晴らしさを、深く理解している状態”が欠かせません。 その実現に向けて、crackは2つの観点を大切にしています。 ① 自分たちの活動が、社会の中でどんな価値を生んでいるか ② 自分たちの存在が、どれほど多くの人に喜ばれているか この2点を明確に実感していただくため、crack社ではインナーブランディング支援の一環として、「魅力発掘プロジェクト」を展開しています。 私たちは、プロジェクトが始まると、その企業のお客様や提携先など、「第三者の視点」をもつ関係者への丁寧な調査を行います。 そして、そこで見えてきたその企業の社会的価値を、約100ページにわたる資料として可視化していきます。 この資料に書かれているのは、単なる一般論ではありません。 独自の調査によって集められた、その企業に対するお客様や提携先の本音や感謝の声、ときには涙を伴う声、そして事実に基づくエピソードをもとに構成された、世界にひとつだけのオリジナル資料です。 だからこそ、社員一人ひとりが「自分の仕事には、確かな価値がある」と再認識するきっかけになります。 こうした実感が積み重なることで、社員は自信と納得感をもって、日々の判断や行動を選べるようになります。 その結果、社長や採用ご担当者が描く理想の組織状態、つまりは「従業員満足度の向上」や「人材育成」へと、確かな変化が波及していくのです。 (※“魅力発掘プロジェクト”の詳細はこちらへ) そしてcrack社は、企業理念のように“目には見えないが確かに存在する価値”を、ARTという形に可視化します。 そのために、世界中の優れたアーティスト数百名と連携。 創作の過程は、社員と国内外の一流アーティストが共に取り組む、かつてない体験です。 自分たちの誇りが象徴となり、そのシンボルが日常に溶け込んでいく。 すべては、自社の魅力を“体感しながら育てていく”ためのプロジェクトです。
PROJECT
プロジェクト概要
- 案件について
- 三重県菰野町に本社を構える運送会社・裕進運輸。
地方で採用に苦戦していた同社は、SNS発信をきっかけに応募数が増加。
その後、表面的な施策にとどまらない、より本質的な「採用ブランディング」へと踏み出しました。
2022年には、社員50人をモデルにした“理念アート”を制作。
一人ひとりの個性や想いを形にすることで、「自分もこの会社の一部なんだ」と実感できる象徴的な作品が誕生。
さらに2024年には、crackとともに「魅力発掘プロジェクト」を実施。社員全員で自社の魅力を言語化し、「うちって、こんなにいい会社だったんだ」と誇りを再認識する機会に。
こうした取り組みを通じて、社員の帰属意識が高まり、結果として離職率低下にもつながっていきました。
アートと理念の融合によって、“採用につながるブランド”が、着実に育まれています。
今回は、その変化を現場で支えてきた総務人事部部長、森田さんにお話を伺いました。
VOICE
お客様の声
採用ブランディングに苦戦していた運送会社が、応募者数10倍に!
全国から人が集まる運送会社になるまで

裕進運輸 森田さん
Q1:2019年、crackと出会う前はどんな課題を感じていましたか?
うちは三重の田舎にある小さな運送会社で、当時の社員数は25人ほどでした。
当時、とにかく求人に人が集まらないことが一番の悩みだったんです。
SNSをやっても反応はほとんどなく、応募は年に10件ほど。
仮に10人入社しても、同じくらいの人数が辞めていく。
「社員を増やしたいのに、増えない」状態がずっと続いていました。
正直、「地元だけで人を集めるのはもう限界だな」と感じてはいたものの、自分たちだけでは打ち手が思いつかない。
何から変えればいいのか、まったく分からない状態でした。
さらに、新しいことに取り組もうとしても、社内の雰囲気が決して前向きとは言えなくて。
「SNS発信に協力してほしい」と声をかけても、嫌そうな顔をされたり、腰が重かったり。
採用以前に、会社の空気そのものが硬かったように思います。
Q2:crackとの最初の出会いは、どんな印象でしたか?
正直に言うと、「何をする人たちなんだろう?」というのが最初の印象でした(笑)。
でも話を聞いていくうちに、発想のスケールがまったく違うと感じたんです。
一方で、不安もありました。
「本当に、crackさんが提案してくれる新しい取り組みに投資して大丈夫なんだろうか?」と。
ただ、結果として会社の採用は、一気に変わりました。
今振り返ると、もしあのときcrackさんと出会っていなかったら、今もきっと「人が来ない会社」のままだったと思います。
crackさんは、自分たちでは絶対に思いつかないことを提案して形にしてくれる。
本当に、面白い会社です。
Q3:魅力発掘プロジェクトやアート制作で、どんな変化がありましたか?
一番大きかったのは、社員の一体感と、会社への誇りが生まれたことです。
会社の理念や魅力を「アートで可視化する」プロジェクトで、社員一人ひとりをモデルにした作品を制作しました。
私自身がカメラを持って、社員全員を撮影し、趣味や性格、好きなものまでヒアリングして制作チームに渡しました。
完成したアートには、社員それぞれの個性が色や形になって表現されていて。
正直、見た瞬間、感動しました。
社員たちも「私、ここにいる!」と、描かれている自分を見つけて誇らしそうでした。
さらに印象的だったのが、crackさんが第三者として集めてくれたお客様の声です。
普段は当たり前すぎて気づいていなかったことを、たくさんの温かい言葉で教えてもらって。
「うちのドライバーさん、そんなふうに見てもらえてたんだ…。」
そう思った瞬間、“裕進は、こんなにいい会社だったんだ”と気づかされて、涙が出そうになりました。
社員全員が誇りを持てた、忘れられない瞬間です。
実際、当時プロジェクトに参加した社員は、今も辞めずに活躍してくれています。
結果として、離職率低下にもつながったと感じています。

普段は聞けないお客様の声を聞いて、当たり前だと思っていた行動がどれほど喜ばれているのかを再確認した。業務の内容だけでなく、挨拶や所作の一つ一つが信頼になり、価値なのだという自覚が芽生えていく。
Q4:採用面では、どんな成果が出ていますか?
年に10件ほどだった応募が、今では100件近くになりました。
しかも、若い世代や女性ドライバーからの応募も増えています。
「SNSを見て、雰囲気が好きで来ました」
「理念に共感しました」
そんな声をもらえるようになったのは、本当に嬉しいですね。
crackさんと一緒に言語化した「裕進力」という言葉は、今も新人研修で使っていて、社員の共通言語になっています。
「条件で集める採用」から、「理念に惹かれて集まる採用」に変わった。
そう実感しています。

魅力発掘で明確化した、外からは見えにくい裕進運輸の魅力や雰囲気をHPやSNSで表現することで、求職者自身が働く姿をイメージしやすくなる。
Q5:社内やご自身の意識に、変化はありましたか?
「可能性があるなら、まずはやってみよう」と思えるようになりました。
もともと社長は前に進むタイプで、私はどちらかというと慎重派だったんです。
でも、crackさんと一緒にやってきた経験が、「やってみよう」と言える自信をくれました。
これからは、社員がより会社に愛着を持って、長く働き続けたいと思える会社にしていきたい。
ただトラックに乗るだけじゃ、もったいない。
この会社は本当にいい会社だと、ちゃんと伝えていくのが、私の役目だと思っています。

企業理念を表現したアートを全面にラッピングしたトラック。地元の中高生から「あのトラック可愛い〜」と写真を撮られることも。自然と企業に興味を持ってもらえる仕掛けになっている。
Q6:同じように採用や組織づくりに悩む他社の採用ご担当者に、メッセージをいただいてもいいですか?
新しいことに挑戦するのは、正直怖いです。
「本当にうまくいくのかな」
「やって意味あるのかな」
私も、最初はそう思ってました。
でも、一歩踏み出してみたら、想像以上の結果が待っていました。
三重のど田舎にある弊社でも、全国から応募が来るようになったんです。
やってみたら、本当に変わると分かりました。
crackさんは、自分たちでは絶対にできないこと、思いつきもしないことを、ちゃんと“形”にしてくれる。
気づけなかった自社の魅力や可能性に、たくさん気づかせてもらいました。
一緒にやってきて、本当に良かった。心からそう思っています。

Project Members(crack)
大野 陣 片平 優 豊福 竜大 工藤大輝 合羽井太一 吉井 七実
【執筆】大野 陣(Jin Ono)/代表取締役
大野のブランディングの核にあるのは、「誰も喜ばない常識にヒビを入れる」という一貫した思想である。
crack株式会社の代表として、国内初となる「企業の誇りをARTで象徴化する」Symboling(シンボリング) 事業を推進。
世界中の芸術家約200名と連携しながら、企業が積み重ねてきた歴史や想い、誇りを“語るもの”ではなく、“象徴として立ち上がるもの”として大型ART作品に昇華している。
「常識が壊れた後に出来上がる世界が、真新しい事が重要」だと大野は考える。
見過ごされてきた価値に光を当て、企業と人が「自分たちの誇り」を取り戻すための表現を、今日も生み出し続けている。
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