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なぜ、未経験や女性からの応募が増えたのか
運送業界で起きた、採用ブランディングの小さな変化
「運送業界は、男性ばかり」
「経験者じゃないと無理そう」
「体力的にきつそう」
求職者が運送会社に抱くイメージは、今もなお、こうしたものが大半です。
だから多くの企業が、採用に苦戦しています。
しかし一方で、
未経験者や女性ドライバーからの応募が増えている運送会社も、確かに存在します。
彼らは、何か特別な制度を導入したのでしょうか。
女性向けの福利厚生を整えたのでしょうか。答えは、どちらでもありません。
「多様な人材を集めよう」とは、考えていなかった
採用が改善した会社の話を聞いていると、意外な共通点があります。
それは、
「多様性を目指していたわけではない」
という点です。
彼らがやっていたのは、
“実際の姿を、そのまま伝えること”でした。
- 未経験で入社した社員が、どう育っているのか
- 女性が、どんな働き方をしているのか
- 現場でどんな会話が交わされているのか
これまで、あえて語ってこなかった日常を、言葉やビジュアルで表現し始めただけ。
それが、結果として採用の間口を広げていきました。
「自分は対象外だ」と思わせていたのは、会社の発信だった
多くの求職者は、応募前からこう判断しています。
「ここは、経験者向けだな」
「自分みたいな人は、想定されていなさそう」
これは、仕事内容が難しそうだからではありません。
“情報が出ていない”からです。
- どんな人が働いているのか分からない
- 自分に近い人が見えない
- 働くイメージが持てない
この状態では、そもそも応募ボタンは押されません。逆に言えば、
「ここには、こんな人も働いています」
という情報が見えるだけで、心理的なハードルは一気に下がります。
採用ブランディングが、結果として多様性を生んだ
三重県に本社を構える運送会社 裕進運輸 でも、
採用に悩む時期が長く続いていました。
そこで同社が取り組んだのは、
条件改善や大々的な採用キャンペーンではありません。
- 社員一人ひとりの姿
- 仕事への向き合い方
- 会社として大切にしている価値観
こうした “内側のリアル”を言語化し、発信することでした。
すると、これまで応募が少なかった層から、少しずつ反応が出始めます。
- 未経験だけど、話を聞いてみたい
- 女性でも働けそうだと感じた
- 雰囲気に惹かれた
結果として、
若い世代や女性ドライバーからの応募が増えていきました。
多様性は「目標」ではなく、「結果」
ここで重要なのは、
多様な人材を集めること自体を、目的にしていなかったという点です。
やったことは、ただ一つ。
「この会社は、どんな場所なのか」を、誤解なく伝えた
その結果、
これまで「自分は違う」と思っていた人が、
「ここなら自分も働けるかもしれない」と感じるようになった。多様性は、
ブランディングの“副産物”として生まれた結果でした。
採用に悩む企業が、今日から見直せること
もし今、
- 応募が特定の層に偏っている
- 未経験や女性からの応募がほとんどない
- 採用の幅を広げたいと感じている
のであれば、
まずは制度ではなく、発信内容を見直してみてください。
- 誰が働いているのか
- どんな背景の人が活躍しているのか
- 仕事の中で、何が大切にされているのか
それが伝わっているかどうかで、
応募してくる人の層は、大きく変わります。
👉実際に、採用の間口が広がった事例は、こちらのページで詳しくご紹介しています。
【執筆】大野 陣(Jin Ono)/代表取締役
大野のブランディングの核にあるのは、
「誰も喜ばない常識にヒビを入れる」という一貫した思想である。
crack株式会社の代表として、国内初となる「企業の誇りをARTで象徴化する」Symboling(シンボリング) 事業を推進。世界中の芸術家約200名と連携しながら、企業が積み重ねてきた歴史や想い、誇りを“語るもの”ではなく、“象徴として立ち上がるもの”として大型ART作品に昇華している。
「常識が壊れた後に出来上がる世界が、真新しい事が重要」だと大野は考える。
見過ごされてきた価値に光を当て、企業と人が「自分たちの誇り」を取り戻すための表現を、今日も生み出し続けている。