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地方の運送会社で採用が止まる本当の理由
人が来ない原因は「魅力がない」ではなかった
「求人を出しても、人が集まらない」
「SNSもやってみたけど、反応がない」
「地方の中小企業では、採用はもう限界なのではないか」
製造業や運送業をはじめ、地方に拠点を置く企業の採用担当者から、こうした声を聞くことは少なくありません。
しかし、実際に採用が大きく改善した企業を見ていくと、
ある共通点が浮かび上がってきます。それは、
「自分たちの会社の素晴らしさを、社員自身がどれだけ実感できているか」
という点です。
採用がうまくいかない原因は、外ではなく「内側」にある
採用に課題を感じている企業の多くは、次のような状況に陥っています。
- 求人媒体やSNSなど、表に出る施策を頑張っている
- それでも応募数が増えない
- 何を変えればいいのか分からず、打ち手が尽きている
このとき、多くの企業は「もっと発信しなければ」「もっと魅力的に見せなければ」と考えます。
ですが、そもそも発信する中身そのものが整理されていないケースがほとんどです。
自社の魅力や価値が、
- 社内で共有されていない
- 言葉になっていない
- どこに強みがあるのか分からない
この状態で外向きの発信をしても、どうしても表面的になってしまいます。
「いい会社」ほど、自分たちの価値に気づいていない
地方の中小企業、とくに製造業や運送業には、長年積み重ねてきた仕事の歴史があります。
- 当たり前のように続けてきた安全管理
- お客様から長く信頼されてきた理由
- 現場で自然と守られているルールや所作
しかし、これらは日常になりすぎていて、
社内では価値として意識されていないことが多いのです。
「そんなの、どこでもやっている」
「特別なことじゃない」
そう思っていることほど、実は外から見ると大きな魅力だったりします。採用が難しい企業ほど、
“魅力がない”のではなく、“魅力を見失っている”
という状態に近いのかもしれません。
私たちが重視しているのは「自覚しきる」こと
私たちのブランディングは、
「どう見せるか」から始まりません。
出発点にあるのは、
“自社の素晴らしさを、自覚しきる”ことです。
そのために大切にしているのが、次の2つの観点。
- 自分たちの活動が、社会の中でどんな価値を生んでいるのか
- 自分たちの存在が、どれほど多くの人に喜ばれているのか
これらを頭で理解するだけでなく、
実感として腹落ちさせることを重視しています。
第三者の声が、会社の価値をはっきりさせる
自社の魅力を自分たちだけで掘り起こそうとすると、どうしても限界があります。
そこで重要になるのが、第三者の視点です。
私たちが行う「魅力発掘プロジェクト」では、
- お客様
- 提携先
- 関係者
といった外部の声を丁寧に集め、
その企業が社会の中でどんな役割を果たしているのかを可視化していきます。
そこに書かれているのは、抽象的な理念ではありません。事実に基づいたエピソードや、本音の言葉、感謝の声です。
それらを目にしたとき、多くの社員がこう口にします。
「うちの会社って、こんなふうに思われていたんだ」
「自分の仕事、ちゃんと意味があったんだな」
社員が誇りを持つと、採用の景色が変わる
自社の価値を実感した社員は、変わります。
- 日々の仕事への向き合い方が変わる
- 判断や行動に迷いが減る
- 会社について語る言葉に自信が宿る
この変化は、やがて外にもにじみ出ていきます。
SNSや採用ページの雰囲気が変わり、
「条件」ではなく「空気感」や「考え方」に惹かれて応募する人が増えていく。採用は、突然テクニックで改善するものではありません。
社員の内側の変化が、時間差で採用に現れるのです。
地方の運送会社で起きた、静かな変化
三重県に本社を構える、ある運送会社も、かつては採用に苦戦していました。
- 応募は年に10件ほど
- 入っても、同じくらいの人数が辞めていく
- 社内の雰囲気も、前向きとは言えない
そんな状態からスタートし、
自社の魅力を言語化し、社員一人ひとりが「自分も会社の一部なんだ」と実感できる取り組みを重ねた結果、状況は大きく変わっていきます。
応募数は増え、
若い世代や女性からの応募も増加。
離職率も下がっていきました。何か特別な条件を用意したわけではありません。
行ったのは、自社の価値と誇りを、丁寧に掘り起こし、共有したことでした。
まとめ|採用に悩んだら、まず「自社理解」から始めてみる
採用が難しいと感じたとき、
私たちはつい「外」に原因を探しがちです。
しかし、本当に必要なのは、
自分たちの会社を、もう一度深く知ることかもしれません。
- 自分たちは、何を大切にしてきたのか
- 誰に、どんな価値を届けてきたのか
- なぜ、この会社は続いてきたのか
そこに向き合うことが、
採用ブランディングの一番確かなスタート地点です。
▶ 採用が変わった、そのプロセスを詳しく知りたい方はこちら
【執筆】大野 陣(Jin Ono)/代表取締役
大野のブランディングの核にあるのは、
「誰も喜ばない常識にヒビを入れる」という一貫した思想である。
crack株式会社の代表として、国内初となる「企業の誇りをARTで象徴化する」Symboling(シンボリング) 事業を推進。世界中の芸術家約200名と連携しながら、企業が積み重ねてきた歴史や想い、誇りを“語るもの”ではなく、“象徴として立ち上がるもの”として大型ART作品に昇華している。
「常識が壊れた後に出来上がる世界が、真新しい事が重要」だと大野は考える。
見過ごされてきた価値に光を当て、企業と人が「自分たちの誇り」を取り戻すための表現を、今日も生み出し続けている。